コーティング技術

京セラSOCのコーティング技術

コーティング技術

京セラSOCでは、1980年頃から慣性核融合研究のための高出力レーザ用ミラーの開発に着手して以来、30年以上に渡ってレーザ耐性を向上に努めて参りました。1990年代に入るとイオンビームスパッタリングによる低損失ミラーの開発に着手し、現在も高耐力と低損失の両立を目指して開発を進めております。
真空紫外から遠赤外までの波長域に対応し、使用する膜物質は20種類以上に上ります。成膜方法は、真空蒸着、イオンアシスト蒸着(IAD)、プラズマイオンアシスト蒸着(P-IAD)、イオンビームスパッタリング(IBSD)の4種の成膜法の中から、お客様の用途に合わせて最適なものを選択しています。長い歴史の中で蓄積されたレーザ損傷のデータベースと高度に最適化された成膜条件が京セラSOCの財産です。

低損失コート

低損失コート

IBSDにより成膜される低損失ミラーは、波長によって、99.99~99.999%以上の反射率を有しており、分光光度計による評価は不可能ですが、京セラSOCではキャビティーリングダウン分光(CRDS)によって反射率を測定しています。CRDSには測定用のレーザ光源が必要ですが、レーザ発振器メーカでもある京セラSOCはもともと多様なレーザ光源を保有しており、さらに、保有していないレーザ波長もOPOなどで作り出してしまうところが京セラSOCの強みです。
また、低損失はミラーだけではありません。ARコートの反射率は、単一波長であればR<0.001%、広帯域でもR<0.003% @780~830nmを達成しています。

高耐力コート

高耐力コート

コーティングのレーザ耐性は、膜物質や成膜条件に依存しますが、高い信頼性を得るためには蒸着薬品のロットや成膜装置の経年変化に合わせて成膜条件を再調整することも必要です。そのため、京セラSOCでは自社内にNd:YAGレーザとエキシマレーザのダメージテスト光学系を常設しており、成膜されたレーザーミラーは定期的にダメージテストが実施されています。損傷閾値の低下傾向が確認されれば、蒸着薬品の組成分析や構造分析と平行して成膜条件の再調整が実施されます。勿論、再調整においては膜応力や耐久性も評価し、全ての項目において規定値を満足するまで製品に適用することはありません。京セラSOCは、チャンピョンデータだけではない、本当に強いコートを実現するための努力とコストを惜しみません。

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